「流行語大賞って、どうやって決まるの?」「あの言葉、なんで選ばれたの?」——毎年注目が集まる『新語・流行語大賞』ですが、2025年は特に話題が豊富でした。年間大賞に選ばれたのは、高市早苗首相の「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」。その背景や真意、ネットの反応まで多くの議論を呼んでいます。
この記事では、ノミネートされた全30語とTOP10の一覧はもちろん、「長袖をください」がなぜ選ばれなかったのか、ミャクミャクやオールドメディアといった注目ワードの意味、やくみつる氏など選考委員の視点まで詳しく解説します。 2025年の“言葉”から見えてくる、日本社会の今を一緒に読み解きましょう。
1. 【速報】2025年の流行語大賞は「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」

2025年の「現代用語の基礎知識選 新語・流行語大賞」の年間大賞に選ばれたのは、首相・高市早苗氏のフレーズ「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」でした。
この発言は、政治家としての真摯な覚悟を示した言葉として注目を集める一方で、その繰り返しのリズムやインパクトから、ネットを中心に一気に拡散。模倣やパロディが続出するなど、2025年の社会やメディアに強く刻まれる言葉となりました。
政治的な文脈で発せられた言葉ながら、仕事観や働き方を巡る議論のきっかけにもなっており、今年の流行語としてふさわしい強いメッセージ性があったことが評価されました。
1-1. 高市早苗首相の「5連発」が選ばれた背景とは?
この発言が注目されたのは、首相としての初の予算演説後に行われた記者会見での一幕。高市首相は、「国家国民のために自分自身が全力を尽くしたい」とする熱意を、「働いて」を5回繰り返すことで強調しました。
実際には、その場の雰囲気や勢いによるもので、本人いわく「大きな意味はございません」とコメントしていますが、意図せぬ形でキャッチーなフレーズとして独り歩きし、メディアでも繰り返し取り上げられました。
日本社会の「働き方」や「勤労観」が大きく転換する中で、ある種の象徴的な言葉となり、多くの人々の印象に残る結果となったことが、大賞受賞につながった背景と言えるでしょう。
1-2. 授賞式での発言と真意「働きすぎを奨励する意図はない」
授賞式では、高市首相本人がサプライズで登壇し、改めて「働きすぎを奨励するような意図は一切ない」と明言しました。
彼女は、「働き方改革が求められる大事な時期に、あくまで国民や企業のために努力したいという気持ちを表したかった」と真意を語っています。また、奈良出身らしく、言葉のアクセントが関西弁だったことも印象的で、会場の雰囲気を和らげる一面も見せました。
さらに、自身の健康管理ルーティンとして「朝と夜に湯船に浸かる」「睡眠時間は短いがマッサージで身体を整える」など、働きすぎへの懸念に対する配慮も口にしており、誤解を避けようとする丁寧な姿勢が見られました。
1-3. ネットの反応:「皮肉」「名言」分かれる評価
SNSやネット掲示板などでは、「あまりにも働きすぎを象徴している」「日本のブラックな労働文化そのもの」といった皮肉混じりの反応が見られる一方で、「政治家の強い覚悟が伝わる」「キャッチーでいいフレーズだ」と肯定的な声も多く見られました。
特にX(旧Twitter)では、企業のキャンペーンコピーや一般人のツイートに多用され、拡散性の高さが際立ちました。TikTokではこのフレーズをBGM代わりに使った動画が多数投稿され、「#働いて5連発」などのハッシュタグが流行する現象も。
意見が分かれる中でも、2025年を象徴する言葉として広く認知されたことは間違いなく、流行語大賞の受賞は多くの人にとって納得の結果となったようです。
2. 2025年の新語・流行語大賞 ノミネート全30語とTOP10一覧

今年で42回目となる新語・流行語大賞。2025年も政治・エンタメ・スポーツ・SNSなど幅広いジャンルから言葉がノミネートされました。
話題性だけでなく、「その年の空気感を映す鏡」として、多くの注目が集まりました。
2-1. ノミネート語一覧:話題性・使用頻度・SNSの影響
ノミネートされた30語の中には、「ミャクミャク」「オールドメディア」「生成AI」「ガチ恋営業」「ジャニーズ会見」「うちゅくちい」など、政治・経済・カルチャー・SNS発のワードがバランスよく揃いました。
特にXやTikTokでの拡散が多かった言葉が目立ち、ユーザーのリアルな声がランキングに反映された形です。
政治色の強い年となったことも特徴で、社会的な関心が大きく偏った印象を受けたという声も聞かれました。
2-2. TOP10に選ばれた言葉とその理由
2025年のTOP10には、以下のような言葉が選ばれました。
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働いて働いて働いて働いて働いてまいります
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ミャクミャク
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オールドメディア
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ジャニーズ会見
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うちゅくちい
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ガチ恋営業
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生成AI
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政治とカネ
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パビリオン
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社会的責任
この中でも「ミャクミャク」は、大阪・関西万博の公式キャラクターとして広く親しまれ、子どもから高齢者まで幅広い層に浸透しました。
また、「オールドメディア」は、メディア不信や情報源の多様化を背景に皮肉的に用いられた言葉として、特に若年層からの支持が強かったのが特徴です。
2-3. 選考基準を担当者が解説「多様化した社会を反映」
選考委員の一人であるパトリック・ハーラン氏は、「日本社会がどれだけ多様化してきたかを、今年の言葉がよく表している」と語っています。
単に流行った言葉だけでなく、その背景にある社会的な動きや国民の感情も重視されたといい、ノミネート語・TOP10ともに社会を映し出すラインナップになったことがわかります。
多様化した価値観が表現される中で、ポジティブな意味とネガティブな意味を併せ持つ言葉が混在している点にも、今の時代性が表れているようです。
3. 「長袖をください」惜しくもTOP10入りならず
お笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏さんが披露するギャグ「長袖をください」は、SNSやテレビで話題になったにもかかわらず、最終的にはTOP10入りを逃しました。
多くのファンから惜しむ声が上がり、その存在感の大きさを改めて感じさせる結果となりました。
3-1. ダイアン津田のギャグが話題になった理由
「長袖をください」は、暑い季節にも関わらず長袖を求めるというシュールな設定と、津田さん特有の抑揚で人気を集めました。
このフレーズは、バラエティ番組やYouTube、SNSショート動画などで繰り返し使用され、若者層を中心にじわじわと浸透していきました。
特にTikTokでは音源化され、音声をもとにした「長袖チャレンジ」などのミームも発生しました。
3-2. バズった経緯と落選の背景を分析
SNSでの再生数や投稿数の多さは申し分ないものの、「2025年を象徴する社会的インパクト」という点で評価が分かれた可能性があります。
また、言葉自体が軽妙すぎて“流行語大賞”という枠での評価には届かなかったとも考えられます。毎年一定数存在する「ネットで人気でも選外」の代表例となりました。
3-3. SNSでの共感と拡散力は十分だった?
SNS上では、「長袖をください、流行語に入らないのおかしい」「ダイアン津田のギャグで一番笑った」など、多くの共感コメントが投稿されていました。
しかし、それが一過性の流行であったことや、他の候補語と比較して“社会性”がやや薄かった点が、選考においてマイナスに働いたとみられます。
それでも、この言葉が2025年を象徴する笑いの一つであったことに変わりはなく、文化的には確かな足跡を残したと言えるでしょう。
4. 「ミャクミャク」がTOP10入り!万博キャラの力は健在

2025年の新語・流行語大賞において、TOP10に選出されたのが大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」です。
ユニークなビジュアルとネーミングで当初から話題をさらっていたミャクミャクは、誕生から2年を経てなおも人気が衰えず、国内外での注目度を維持。今回のTOP10入りは、その存在感と影響力を社会全体が再認識した形とも言えます。
4-1. 選出理由と今後の「ミャクミャクパビリオン」構想
「ミャクミャク」が流行語としてTOP10入りを果たした理由は、単なるキャラクター人気を超えた“万博の顔”としての活躍にあります。
選考委員も、「多くの世代から愛され、SNS上での話題性も高い。今後の日本の国際イベントにおけるキャラクターの在り方を示している」と評価しました。
さらに、今後の構想として「ミャクミャクパビリオン」が検討されているとの声もあり、ファンや関係者の期待も高まっています。パビリオンでは、ミャクミャクの世界観を体験できる展示やグッズ販売、フォトスポットなどが計画されているとも噂されており、万博の目玉となる可能性があります。
4-2. 子どもから大人まで「ミャクミャク」人気の理由
ミャクミャクは、その独特すぎるビジュアルが賛否両論を巻き起こしましたが、結果として多くの人々の記憶に残る存在となりました。
赤と青の「血管の塊」のようなフォルム、愛嬌のある表情、そして語感の強い名前。こうした要素が、子どもたちの興味を引きつけ、同時に大人からも「なんだこれは」と思わせるインパクトを与えました。
教育現場ではキャラクター教材として活用された例もあり、テレビ・雑誌・イベントなどへの露出も数多く、年齢問わず親しまれる存在に。2025年の開催が近づくにつれて、関連のキャンペーンやコラボも増え、生活に自然と浸透していきました。
4-3. 関連グッズやプロモーション効果
「ミャクミャク」関連グッズは、2025年に入ってから再び大きく売り上げを伸ばしました。特にぬいぐるみ、文具、Tシャツなどは品薄状態になることも多く、キャラクタービジネスとしての成功例とされています。
また、企業とのコラボレーションも展開され、交通機関や飲料メーカーとのタイアップ広告、LINEスタンプなども話題になりました。SNSでは、「#ミャクミャクコーデ」「#今日のミャクミャク」など、ファンによる日常投稿が広がり、認知度と好感度を同時に押し上げる結果に。
こうしたプロモーション展開とファンの自発的な発信が相まって、「ミャクミャク」は単なる万博のシンボルにとどまらず、流行語としてふさわしい文化的アイコンとなりました。
5. 「オールドメディア」とは何か?流行語に選ばれた意味を読み解く

2025年の流行語TOP10に選出された「オールドメディア」という言葉。
これは新聞・テレビ・ラジオといった従来型メディアを指す表現であり、特にSNS世代を中心に“旧態依然とした情報発信の象徴”として皮肉的に使われることが増えてきました。
社会の情報インフラが大きく変わる中で、この言葉がTOP10に入ったのは、現代のメディア環境に対する警鐘とも捉えられます。
5-1. オールドメディア=旧来型メディア?SNS時代の皮肉
「オールドメディア」という言葉には、単に古いという意味だけでなく、「信用されにくくなった情報源」というニュアンスも含まれています。
たとえば報道番組での偏向報道、新聞の論調が「一方的」と感じられるケースなどに対し、SNSユーザーがこの言葉を用いて批判する場面が散見されました。
X(旧Twitter)やYouTubeなどで、個人がニュースを編集・発信することが当たり前となった今、旧来のメディアのあり方が問われていることが、この言葉の背景にあります。
5-2. 若年層とのメディアギャップが露呈
特に若者層にとって、「テレビをそもそも見ない」「新聞は読まない」という状況が当たり前になりつつあります。
彼らはスマートフォンとSNSを主な情報源としており、ニュースもエンタメもYouTubeやTikTokから得ているのが現実です。そうした層にとって「オールドメディア」は“親世代が信じているもの”という認識であり、信頼度にギャップがあることが浮き彫りになっています。
今回の流行語入りは、その世代間ギャップを言語化した象徴的な出来事と言えるでしょう。
5-3. パトリック・ハーランの選考コメントに注目
流行語大賞の選考委員であるタレントのパトリック・ハーラン氏は、「日本がどれだけ多様化してきたかが、今年の言葉から見えてくる」と語っています。
「オールドメディア」はまさにその多様化の一端であり、伝統ある情報の価値と、変化する社会のニーズがぶつかる接点に生まれた言葉です。
選考においても、単なるネットスラングとしてではなく、社会的な議論を呼ぶ“リアルな言葉”として評価されたことが、TOP10入りの大きな理由となりました。
今後、メディアのあり方そのものが変化していく中で、この言葉が持つ重みはさらに増していくかもしれません。
6. やくみつる氏のコメントと選考委員の視点

2025年の新語・流行語大賞は、政治からエンタメ、キャラクターまで実に幅広いジャンルの言葉がノミネートされました。
その中で、選考委員の1人である漫画家・やくみつる氏のコメントが注目を集めています。大賞に選ばれた「働いて働いて働いて働いて働いてまいります」に対する見解を含め、選考の裏側にある“視点”が、今年の流行語をより深く理解する鍵となっています。
6-1. やく氏の分析「今年の流行語は“政治色強め”」
やくみつる氏は今回の選考について、「非常に政治色が強い年だった」と語っています。実際に、大賞を受賞した高市早苗首相の発言だけでなく、「政治とカネ」「ジャニーズ会見」など、社会的背景や批判を含んだ言葉が多数ノミネート・選出されました。
やく氏はこうした傾向について、「国民が政治に敏感になってきたことの表れ」とし、時代の空気が言葉に反映された結果であると分析しています。
とりわけ、首相が使った「働いて〜」という表現は、働き方改革や長時間労働といった社会問題を連想させるものであり、無意識に国民の琴線に触れたのではないかとしています。
このように、単なるバズワードではなく、背景に政治的文脈がある言葉が評価されたことも、今年の流行語大賞の大きな特徴の一つです。
6-2. 流行語大賞は誰のため?選考委員の苦悩と工夫
毎年注目を集める新語・流行語大賞ですが、「誰のために選ばれているのか?」という疑問の声も一部にはあります。
選考委員たちは、社会に与えた影響力、言葉の広がり方、メディア露出、SNSでの使用頻度など、複数の視点から言葉を精査していますが、時には「ネットでは流行っていたのに選ばれなかった」「真面目すぎて面白みがない」といった声も聞かれます。
その一方で、選考委員側も「社会を映す鏡としての選考」という大義のもと、流行語の“質”に重きを置いており、単なる流行ではなく“時代性のある言葉”を拾う努力が続けられています。
やくみつる氏をはじめとする選考委員たちは、「ことばが浮き上がってくる社会の流れを、どう汲み取るか」が最大の難関だと語っており、見た目以上に深い思慮が必要な作業であることがわかります。
6-3. 他の選考委員のコメントも紹介
他の選考委員の一人であるパトリック・ハーラン氏(タレント/通称パックン)も、「今年の流行語から、日本社会がどれだけ多様化してきたかがよくわかる」とコメントしています。
特に「ミャクミャク」や「オールドメディア」など、ユニークな言葉が政治的・社会的なワードと並んでTOP10に入った点については、国民の興味関心の幅広さを示す結果だと分析。
また、選考の基準について「偏らずにバランスをとること」が常に重要であると語り、選考委員の中でも慎重な意見交換が行われていたことを明かしています。
こうしたコメントからは、選考委員たちがただ面白い言葉を選ぶのではなく、“その年をどう切り取るか”という視点をもって臨んでいることがよくわかります。
7. 【まとめ】2025年の流行語大賞に見る「日本社会の今」

2025年の流行語大賞は、単なる一過性のブームではなく、今の日本社会の空気感や問題意識、そして笑いと批判のバランスを象徴するラインナップとなりました。
そこには、政治の重みもあれば、キャラクターの可愛さもあり、メディアへの皮肉も混じる、まさに“今の日本”を表す言葉の集合体がありました。
7-1. 政治・お笑い・キャラ・メディアの混在
TOP10に選ばれたワードを見ても、「働いて働いて〜」「オールドメディア」「ミャクミャク」「ガチ恋営業」「ジャニーズ会見」など、実に多彩なジャンルが入り交じっていました。
特定のテーマに偏らず、政治・社会問題・芸能・キャラクター・ネット文化が同居している構成は、現代の情報社会における“多層的な関心”をそのまま映しています。
このように、どの分野に属する人でも何かしらの言葉に共感できるような内容になっている点が、今年の流行語大賞の魅力でもあります。
7-2. SNS時代の言葉の寿命と影響力
SNSの普及により、言葉の寿命は非常に短くなっています。バズった翌週には忘れられる、そんなスピードの中で、年間を通して記憶に残り、影響を与え続けた言葉だけが流行語として選ばれます。
「長袖をください」のようにSNSで爆発的に流行したものの、TOP10入りを逃した言葉もあり、瞬間的なバズと社会的な定着性の差が浮き彫りとなりました。
一方、「働いて〜」のように、発言者の影響力や繰り返し取り上げられたことによって深く定着した言葉もあり、SNSと現実世界の接点が流行語の“重み”に影響を与えていることがわかります。
7-3. 来年のトレンド予想:次の「バズワード」は何だ?
2026年に向けて注目されるのは、やはり「大阪・関西万博」と「生成AI」の進化、そして引き続き「政治とエンタメの融合」がキーワードになりそうです。
また、SNSでの拡散力が年々増していることから、一般市民や学生、クリエイターから生まれる“素人発”の言葉も今後さらに注目されるでしょう。
次の流行語がどのような場面から生まれるのか。2026年も社会の動きや人々の言葉に注目しながら、また新たな“言葉の主役”を迎える年となりそうです。
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